資料NO. :  48
資料名  : 参議院選から「とめよう戦争!8.6ヒロシマ大行動へ
制作者  : 管理人
制作日  : 2004年7月13日現在
7月11日、投票が行われた参議院選挙は改選数を割る「自民党の敗北」と、「年金」と「イラク問題」を問うた民主党の「躍進」が報じられている。その一方、「護憲」を正面から掲げて闘った政党が先の衆院選に引き続き低迷を続ける事態となった。しかし、一言、言っておきたいのは今回の参院選は、最高裁で選挙区間の定数不均衡が「違憲」と判断されている実態を無視して行われていることだ。少数会派に極めて不利なものである。また、現行の衆院選挙制度「小選挙区比例代表並立制」も議会へ民意が正確に反映しないものとなっている。併せて改正を要求しなければならない。

 自民党の敗因について、マスコミは、まず首相の責任を「サーフィンでも楽しむかのように、時代を「軽いのり」で滑ってゆく首相のもとで、この国は二度と引き返せない道に迷い込むのではないか。有権者の不信と不安が首相の強引さに拍手を送ってきた人々が、逆にそれを暴走と見て不安を感じたのかもしれない。」と報じている。(7月12日朝日)

 しかし、もっと深刻なのはこの党の構造的な問題である。新自由主義を掲げる「構造改革」は、仮借ない市場主義で既得権の放棄を要求する。これは、「構造改革」を推進するものと自民党族議員・官僚・利益団体が構成する「鉄のトライアングル」とのせめぎあいとなる。農水産業・郵政・医療など伝統的な自民党の支持基盤は自民党を見限りつつある。「自民党の命脈も尽きかけている。(7月12日朝日) 」ゆえんである。護憲政党の低迷を深く憂慮するものではあるが、このたびの選挙は小泉政権・自民党が崩壊課程にあることをはっきりと示してくれた

 これらの流れを加速する大きな要因として、世界の民衆と結んだ人権・反戦・平和・環境などに対する個人や市民運動の取組がある。だからこそ、強い危機を感じた政府や一部の自治体は、教育基本法と憲法、そして自己の良心に基づく教育を行う教師たちに不当・苛烈な「処分」を行ったのである。また、イラクで人質となったイラクの民衆をサポートする個人・NGOの人々、自衛隊員とその家族の人権を擁護するビラまきをしたグループ、そして、選挙の投票を呼びかける集会やデモ行進にまで卑劣な弾圧を行ったのであろう。自己の主張・利益を追求するあまり、非暴力で平和裏に行われる運動・取組に対し、繰り返し行う弾圧はファシズムの再来に他ならない。しかし、私たちはこんな卑劣な弾圧にひるんではいられない。もっと、もっと工夫をした運動・取組を展開してゆかなければならない。

 今年も間もなく「8月6日」を迎える。59回目になる。私たちの運動は、ヒロシマ・ナガサキの悲惨な体験を含むアジアと国内の民衆の膨大な犠牲に深刻な反省を行い、それによって手にした「日本国憲法」を原点に出発した。戦争犯罪の責任を逃れた当時の一握りの国家主義者・軍国主義者を除き、私たち民衆はこれをしっかり心に刻んでいろいろな宗教・思想の違いを乗り越えて再出発した。60年を経た今、このようにして得たものを私たちの世代から、これを次の世代へと、そして世界へと手渡してゆかねばならない。
 「8.6ヒロシマ大行動」は、そんな私たちに新たな勇気と決意をくれる場である。今年は「戦争をとめよう!8.6ヒロシマ大行動」と銘を打っている。ありったけの力で、参加と賛同をしてゆきたい。(「戦争をとめよう!8.6ヒロシマ大行動」の取組はこちら

 最後に、「参議院選挙に行こう!」と題する前回の巻頭に県内のWさんが投稿してくださった。護憲を掲げるそれぞれの政党に対する問題点のご指摘であった。選挙が終わってみて、護憲政党のどん底にあえぐ姿は本当に残念であるが、しかし、それに終わることのない展望があるのだということを教えていただいたものと気がついた。Wさんにはあらためて、お礼を申し上げたい。

  

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掲載:2004/09/05